皆様こんばんは。
本記事のタイトル耳にされたことはありますか?
こちら「オー・ヘンリー」という小説家の短編でございます。
Youtubeで「賢者の贈り物」と検索頂ければ紙芝居を観ることが出来ますよ。
見るのが面倒という方のために簡単にあらすじを書きます。
まず登場人物は2人です。会社員の男性ジムとその妻ベラの物語です。2人は互いに愛し合っていましたが生活は貧乏で、とても裕福とは言えない毎日を送っていました。
そんな生活を続けてきた2人でしたが、彼らにもクリスマスの季節が訪れます。2人はお互いに内緒でお互いに似合うものをプレゼントしようと決意します。
ジムにはお爺さんの代から譲り受け、いつも大切に持ち歩いている懐中時計がありました。彼は美しい髪の毛を持つ妻に合う鼈甲で出来、宝石がちりばめられた櫛を買いたいと思います。
一方でベラはジムがいつも持ち歩いている懐中時計に見合う、首からぶら下げるプラチナ製の鎖をプレゼントしようと思い至ります。
しかしながらお互いにモノを買うお金がありません。ではどうしたのかというとジムは櫛を買うために懐中時計を質に入れ、お金を受け取ります。ベラもまた懐中時計の鎖を買うために自分の美しく長い髪を切り、かつら屋さんに売りに行きます。
お互い自身の大切なものを失ってしまいましたが、相手へのプレゼントを買えた心中はとても晴れやかでした。
家に帰宅したジムはベラの長い髪が無くなっていることに気づきます。ベラもジムがいつもぶら下げている懐中時計が無いことに気づきます。
プレゼントを渡し合った2人はお互いに悲しさを覚えた反面、それよりも沢山の嬉しさで一杯になり素敵なクリスマスをお祝いしたのでした。
いかがでしょうか。僕はこの話を聞いて「愛」って素晴らしいなぁと感じました。恥ずかしながら僕は「愛」とは何かあまり考えたことが無かったのです(僕が童帝であることに要因があるのかもしれません。いえ、むしろ愛を知らないからこそ童帝なのかもしれませんが)。
先日『アナと雪の女王』が放送されていました。映画の中で雪だるまが「愛とは自分のこと以上に相手を大切に思うことさ」とか抜かしておりました。その時はへぇとしか思わなかったのですが、この話を知ってなるほどこれが愛というモノなのかと今更ながら認識させて貰いました。
また何よりこの話の良いところは愛し合っている2人はお互いが大事にしているものを語らずとも知っていたという所ですよね。普段から相手を知り、思いやればこそ起こった運命の悪戯なんだと思います。寂しくも、とても暖かなお話だったように思います。
…
さて、しかしまぁ僕のようなひねくれた人間は「え?何が賢者なの?」と小言を言いたくなるわけでございます。よくよく考えるとベラは自分の美しい髪を売りましたが、髪は後々また伸びますよね(HAGEの僕にとってはうらやましいことこの上ないわけですが)。懐中時計に関しても、質に預けただけですからお金が貯まれば取り戻すことだって出来なくは無いわけです。なんとも計算高い夫婦でございますね。だからこそタイトルが『賢者の贈り物』なんでしょうね。愛を証明することはあぶく銭で可能と言うことですな。
はてさて、こんなことを考える僕こそまぎれもなく一番の「愚者」でありましょう。
それでは今日はこの辺で。