皆様こんばんは。
ポジティブな名言・格言・金言はインターネットサーフィンをしているとよく目に留まります。人と話してるときでも「お！！良いこと言うやん！！」と思い、自然と脳に刻み込まれることが多いです。それは多分人間ってそういう前向きな言葉や姿勢・思考を常日頃から追い求めているからでは無いでしょうか。
しかし、反対にネガティブな言葉というのは案外見つけるのが難しいモノです。というより、愚痴とか文句とか不満ってありふれているから返って表に出てこないような（とりたてて言葉として取り上げる必要が無い）気がします。
とは言え、ネガティブな言葉というのは人が何か壁にぶつかったときに呟くことが多く、ポジティブな言葉とはまた違った含蓄がありますよね。
今日は人生におけるスパイスとなるネガティブな名言（迷言）をご紹介致します。
大人とは、裏切られた青年の姿である（『津軽』）
とにかくね、生きているのだからね、インチキをやっているに違いないのさ（『斜陽』）
-太宰治
一言：いったいどういう文脈でこの言葉が出てきたのか、原文を読んでいないので僕には言葉の本質はわかりません。ただ、僕は「無垢で純粋なだけではこの世界は生きていくことが出来ない」という遺志を感じます。実際の所どうなんでしょうね。人を騙し、傷つけて誇りを捨てた賤業とも言える生き方と、自分を信じ、人を信じてその先に希望と絶望を見出す生き方とどちらが正しいのでしょう。単純な二元論で善悪を論じることは出来ませんが、どちらもその人なりの「人間くさい生き方」なんでしょうね。
原文（ドイツ語）：Ich glaube, man sollte überhaupt nur solche Bücher lesen, die einen beißen und stechen.
日本語訳：僕は、およそ自分を咬んだり、刺したりするような本だけを、読むべきではないかと思っている。
-フランツ・カフカからオスカー・ポラックへの手紙
一言：「良薬口に苦し」・「忠言耳に逆らう」といったものでしょうか。カフカは言います。自分自身を幸福にさせる本であれば、もしかすると自分で書けるのでは無いだろうか。僕たちが必要とするのは、自分以上に愛していた人の死のように、もしくは自殺のように僕たちの凍結した内部の海を砕く斧のようなモノで無ければならない……と。自分にとって都合の良い言葉と耳障りな言葉どちらがその人を成長させるのでしょうか。
【引用元】エッセイ投降サイト SHORT NOTE様「フランツ・カフカ「オスカー・ポラック宛（1904年1月27日付）手紙」より」
智に働けば角が立つ。情に棹（さお）させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
-夏目漱石『草枕』
一言：
全くその通りですね。
丁度良いというのが一番難しいんだなぁ……。漱石は『草枕』の冒頭でこのように述べていますが、人の世が住みにくいと悟った人間が詩人や画家となり、彼らの織りなす「芸術」こそ人の世を長閑（のどか）にして人の心を豊かにする。そして住みにくい所を住み良い所へ変えると論じます。
そうですね。いつの世も3次元を見限った人間は2次元にいくものです（白目）
【引用元】青空文庫様「『草枕』夏目漱石」
もうダメだ…おしまいだぁ…
-ベジータ（映画『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』）
一言：映画ドラゴンボールにて、伝説超サイヤ人・ブロリーの圧倒的な力を前にしてベジータが漏らした言葉です。一見すると、自尊心が高く自らの強さに絶対の自信がある彼に似つかわしくないように思えます。事実このシーンはニコニコ動画でネタとしてよく扱われ、ベジータ＝ヘタレ王子の方程式を確固たるモノとしました。しかしながら、裏を返せばブロリーの強大さを本能的に一瞬で察知したということですので、さすが天才的なセンスを持っていると賞賛に値します。勇猛と無謀は似て非なるものですからね。やっぱりカッコいいです、ベジータ。
以上、ネガティブな名言を集めました。強者・成功者の上から目線の言葉では無く、強くとも、才ある者であっても打ちひしがれたときに振り絞られた思考・言葉は僕たちの心に響くモノがあるのではないでしょうか。
最後にこの言葉で〆を飾ります。
To become truly great, one has to stand with people, not above them .
真に偉大な人間になるためには、人々の上に立つのではなく、彼らと共に立たなければならない
-Charles de Montesquieu（シャルル・ド・モンテスキュー）
それでは今日はこの辺で。
【参考資料】
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